研究:1990~1999年

老年期における自己決定のあり方に関する調査研究

研究名 老年期における自己決定のあり方に関する調査研究
事業年度 平成9年
本研究の目的

近年、医療における患者の権利を尊重する動きが高まり、安楽死や尊厳死をめぐる議論をはじめ、終末期医療や死の決定についてなど、老年期の自己決定のあり方について改めて考えてみる必要性が提示されています。国際長寿センターでは、平成9年度に厚生省からの研究助成を受け「老年期における自己決定のあり方に関する調査研究」を研究テーマの一つに定め、終末期における高齢者の「生」に対する自己決定の可能性を探ることを目的として、多角的なアプローチを行ってきました。ここに報告するのはその成果です。本報告書では在宅療養を中心に、人生の終末期に生じる様々な問題に関する高齢者の自己決定の現状と課題を検討しました。

<研究会メンバー>

袖井 孝子 お茶の水女子大学生活科学部教授
酒井 忠昭 ライフケアシステム・メディカルディレクター 医師
光石 忠敬 光石法律特許事務所 弁護士
岡村 清子 東京都老人総合研究所社会学部門研究員
永田 久美子 東京都老人総合研究所看護学部門
林 廓子 CRC総合研究所客員研究員
横田 安宏 国際長寿センター理事事務局長
工藤 由貴子 国際長寿センター主任研究員
平野 順子 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程
報告書名 「老年期における自己決定のあり方に関する調査研究」
(A4版 224ページ)
報告書
刊行時期
平成10年3月
本報告書の内容

序 人生の最終段階における自己決定

  1. 研究の目的と方法
  2. 調査結果の概要
  3. 人生の最終段階における自己決定をめぐる諸問題

第1章 高齢患者の自己決定 -医療の側面から

  1. はじめに
  2. インフォームド・コンセントの一般概念
  3. 高齢者の自己決定の現状
  4. リビング・ウィル
  5. 高齢者の自己決定のパラドックス
  6. 高齢者の自律尊重を実現する別のアプローチ
  7. 終わりに

第2章 高齢患者の自己決定 -法と人権の立場から

  1. はじめに
  2. 高齢患者の自己決定の基盤
  3. 高齢患者の自己決定の法理
  4. 特に問題となる局面

第3章 高齢者の自己決定 -ケアの立場から

  1. はじめに
  2. 高齢者の自己決定の大切さ(意義)
    -福祉医療のケアサービスの場から見た多様な価値
  3. 高齢者の自己決定をめぐる論点 -ケアの立場から
  4. 高齢者の自己決定の実現に向けた課題とアプローチ

第4章 在宅医療における高齢者の自己決定の現状と課題 -事例調査結果の概要

  1. 事例調査結果の分析
  2. 対象者の基本属性からみた在宅療養および可能性
  3. 自己決定のプロセス
  4. 終末期から死後についての自己決定
  5. おわりに
  6. 附:医師からみた高齢患者の自己決定: 可能性と問題点 -ヒアリングのまとめ
 

附属資料

  • 附1 文献
  • 附2 ヘルスケア・ディレクティブ ―臨床における展望と問題
  • 附3 ADVANCE STATEMENTS ABOUT MEDICAL TREATMENT
  • 附4 事例調査調査表

Copyright © International Longevity Center Japan All rights reserved.